昨日の例会ではN村さんと2局打ちました。N村さんが三段、ぼくが四段ということでコミなしで1局めは2目負け、2局目は8目負け。
N村さんは黒番だとかなり強くて、四段としてもじゅうぶんに通用する力をお持ちです。が、白を持つととたんに弱くなり、二段あるかどうか。そのギャップを埋めることができれば実力四段なんですけどねえ。
読売の認定大会に誘ってみたのですが、時計があるのはちょっとあかんわ、だそうです。盤面を見て、時計も見て、という切り替えができないそうです。でも、僕と打つときは平均1時間くらいなので、30分の持ち時間なら何とかなりそうな気がするんですが、時計を気にすることで局面に集中できなくなって負けやすくなるということでしょうか。
ただ、時計があることによって、時間の使い方という駆け引きができる面はあります。たとえば読売の認定大会だと有段者は持ち時間が30分です。打ち進めていくと、局によっては「これが勝負どころ」がはっきり出てくるときもあります。そこに集中して打ってしまうと、時間は余っているのに勝負は決してしまうことがあります。
ですから、形勢不利になったときは「決めてしまわず」に、他のところを打つのです。結論の先延ばしですね。そうすることで、手は他の方面に打ちつつも、頭では形勢不利をどう打破するかを一生懸命考えることができる。そうやって相手に時間を消費させて、形勢不利なややこしい場面で考える余裕を与えない、という戦略です。「どうせとられる手」ではあっても、わざわざ打つことで、相手に思考の時間を取らせる。
もっとわかりやすくいうと、たとえば相手の確定地に放り込んでいけば、どのみち生きることは不可能であったとしても、こちらは「どうせ死ぬ」つもりで打つから時間を使わない。しかし、相手は万が一生きられたら困るから、慎重に考えて打つから時間を使ってしまう。
残り時間が、もしこちらが5分、相手が2分になったときに、形勢不利だったところに手を戻して戦闘再開。時間がない相手はあせって間違えるかもしれない・・・。
これは邪道でしょうか。本当に強ければ時間には左右されないでしょう。しかしながら、短期決戦やトーナメント型のときはこの方法はかなり威力を発揮しますね。普段のトレーニングで基礎力を確実にものにしながら、本番では時間も味方にする力も必要だなあと思うのです。