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視覚障害者との交流戦
 こういう機会なのでいきなり個人的な話から入ります。。。
 聴覚障害者と視覚障害者はコミュニケーションということから考えると一番難しい間柄であると思います。そしてコミュニケーションが取れないがゆえにもっとも接しにくいとも言えると思います。僕自身としては、大学時代のゼミの先生が視覚障害者でした。でも学内の教授数が多くはないので、やむをえない事情もあります。僕の大学は比較的情報保障が整っている、とよく言われますが、そういう先輩方が築き上げてきた制度を大学側がつぶしたばかりの暗黒時代を過ごしたわけですから、保障というのは基本的になくて自分で工夫しなければなりませんでした。そもそも高校卒まで普通校で育った僕には「講義保障」という言葉すら知らなかったです。その結果、議論に対する意見の衝突は声を聞けるほうが上なわけですから、納得するまで議論しあえるはずがなく仲違いしたまま卒業したわけです。そういう事情もあって、実体験上からも聴覚障害と視覚障害同士は分かり合うのは難しいなあと思うわけです。

 さて、今回は通訳の方がいるとは言えども、やはりどのような感じになるのは誰もがイメージができなかったと思います。きっと、全国的に見ても聴覚障害者と視覚障害者が同じ碁盤で向き合うのは日本初なんじゃないかなと思ったりしますが。。。
 碁盤は9路盤にて対局し、碁石はオセロを改良した感じで黒石には同心円の突起が付いていますので判別しやすくなっています。自分の手番でどこに石を置いたのかを教えることによって、頭の中で今がどんな盤面になっているのかを記憶しているそうです。傍からみると見える見えないのハンデはあると思いますが、実はそんなことはなかったです。というのも6人対6人の結果、聴覚障害チームは負け越しました。
 普段は19路盤だから9路盤は久しぶりだった、というのは言い訳になると思います。僕は2勝2敗でしたが、負けた2敗の敗因はいずれも終盤の逆転負けです。10目ほどの地を確保したから生きた、と思ったら、放り込んできて減らされるかあるいは全滅させられるか、になってしまいました。油断していたというのではなくて、もう大丈夫だ、とホッとしているところを、相手があきらめないで放り込んできた形です。あきらめないのは基本中の基本だとは思いますが、見えているがゆえに最後まで気持ちを引き締めることを忘れてしまった感じでした。
 今日はトロロさんとカメ子さんの碁会所の先生も対局していただきましたので、視覚障害者にも触れ合っていただく意味でも良かったのではと思います。障害者と健常者は触れ合う機会が基本的にないので、囲碁を通じて出会ったというのもすごい力だなと思いました。通訳ボランティアの方も普段とは違う通訳方法に若干戸惑ったそうですけれども、反省したとか勉強になったとかプラス面の方が多かったみたいです。
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 今日の交流戦を通じてメンバーがどう感じたかはそれぞれ違うと思います。原点に戻ってやり直すこと、最後まであきらめないこと、そして油断しないことなどなど。19路盤と9路盤、聴覚障害者と視覚障害者、違いはいろいろあるけれども、盤面上のルールは同じ条件なのですから、今日の経験をもとにレベルアップを目指したいものです。

記入者:東奔西走
by deafigo | 2008-09-23 18:00 | 交流戦 | Comments(0)
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